オプジーボ®はがん保険で適用されるの?

2018年ノーベル医学生理学賞の受賞もあり、国内でもがん治療としてオプジーボ®(一般名ニボルマブ)が話題になっています。

オプジーボ®をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬は、がん治療の一種として、そしてその薬価の高額さも併せて注目されています。

通常、がん細胞はT細胞など免疫の力によって取り除かれています。しかし、がん細胞のなかには、免疫から逃れる方法を獲得しながら増殖を繰り返すものがあり、これらが一定以上の塊にまで増殖することで「がん」となります。がん細胞には、「PD−1」という、活性化T細胞の表面に発現するタンパク質があります。

このタンパク質を通じて、がん細胞を攻撃するT細胞の活性を低下させています。

オプジーボをはじめとする免疫チェックポイント阻害薬は、このT細胞による活性低下の働きを阻害することで、正常細胞を攻撃することを抑え、免疫力が低下するのを防ぐ役割を果たしました。

2014年、これら研究をもとに、免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボ®(一般名ニボルマブ)が開発されました。

このような、本来の免疫細胞の働きに着目したがん治療の「免疫療法」といわれます。国内での認可も進んでおり、オプジーボ®の保険適用がんは、2018年10月時点で、悪性黒色腫(メラノーマ、皮膚がんの一種)、肺がん(非小細胞、二次治療からのみ使用可能)、頭頸部がん(舌がん、咽頭がんなど)、胃がん(切除不能なものに限る)などに限られています。

これらのがんの治療に対しては、保険対象となるため、高額療養費制度の対象となるため、月額でも8万円ほどの費用負担となります。

しかし、上記6種類のがん以外の治療になると、全額自己負担となるため、高額な治療費が必要となります。

オプジーボ®の薬価代は、以前は1瓶(100mg)あたり約73万円ほどかかりましたが、36万、27万円と下がり、2018年11月には17万円にまでと急速にさがっています。しかし、1回あたり180mgの投与が必要となるため、年間で1000万円近い費用負担が必要となります。

先進医療は、厚生労働省が指定した治療が対象となっており(「先進医療とはなにか」を参照)、それ以外のがん治療は先進医療の対象外となっています。こうした場合の治療を自由診療といいますが、がん治療の保障を考えるうえで、こうした自由診療が保障の対象かどうかを考慮することが重要です。

また、オプジーボ®などの免疫治療以外にも、先進医療として認可されているがん治療も年々増えています。最新の情報をもとに、ご自身の保障内容がどうなっているのかを検討してみるのが良いと思われます。

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